医)よしだ・ファミリー・歯科の考え方

-「医療法人社団よしだ・ファミリ-・歯科」のコンセプトを教えていただけますか?

漫然と目の前の治療に対応していくのではなく、大きな流れの中で、一本の軸を据えて歯科治療を行うことを大切にしています。具体的には噛み合わせの重視です。審美的にも機能的にも美しい噛み合わせは、前歯が奥歯を、奥歯が前歯を助けて適正なガイドを持ち、左右同高の状態になっています。当院の治療は、そのような歯並びと顎位に持っていくことをゴールとしています。

噛み合わせが悪いと体にいろいろな影響が生じ、そこから派生して歯周病や虫歯の問題にも繋がってきます。そのため、単純に「予防をしましょう」「すぐに治療をしましょう」という話だけではなく、お口全体、身体全体を根幹としてしっかり見なければいけません。枝葉に囚われず、本質を見ることで「80歳で20本の歯を残す」(8020運動)に繋がるわけです。歯科としての目標はそこにあります。インプラント・審美・矯正といった専門性の高い治療もそのためのツールの一つです。

また、一番大事なのはセルフケア。患者さんご自身でもメインテナンスをしやすい環境にお口の中を整え、健康的でアクティブな生活を送って頂きたいと考えています。

-全身疾患についてもう少し詳しく教えてください。

口の中の状態が悪化すると、全身の不調に繋がるということが徐々に明らかになってきました。たとえば、歯周病菌は歯茎の血管から身体の隅々まで浸透するので、影響は口の中だけに留まりません。よく知られているところでは、歯周病が血糖値を下げてくれるインスリンの効能を抑制してしまい、糖尿病のリスクを高めることが挙げられます。

また、高齢者の方に多いのが、唾液や食事と一緒に細菌が気道に誤って入ることで発症する誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)。妊婦さんは早産や低体重児出産のリスクが指摘されています。他にも、歯周病菌が心内膜炎、狭心症、心筋梗塞、骨粗鬆症、認知症、癌などに関係するという調査結果が次々に報告されています。

虫歯によって歯がなくなってしまうと噛み合わせが悪化します。若い頃は胃腸や内臓が強いからそこまで問題は感じないかもしれません。しかし、高齢になって食べ物をしっかり噛めないということは、食事の栄養を十分にとれないということ。近年、低栄養とオーラルフレイル(※)という概念がよく言われるようになりました。さらに不正咬合は姿勢にも悪影響を及ぼします。あらゆる不調がお口から始まっているのです。元気な高齢者は、残存歯数も多く、噛み合わせも正常に近い方が多いことはよく知られています。

(※)高齢期になって心身機能や活力が衰えて虚弱になった状態を「フレイル」と呼びます。特に食べる機能障害(例えばお口の機能低下、接触嚥下(えんげ)障害等)を「オーラルフレイル」と呼びます。

-全身疾患に対して医院としてどのような予防をしているのでしょうか?

歯周病菌による全身疾患、虫歯による不正咬合、そして姿勢の悪化とお口の状態は様々な方面の不調に結びついています。当院では、それぞれの患者さんの年齢に応じて、噛み合わせを軸とした総合的なサポートを行っていきます。

特に焦点を当てているのがお子さんの噛み合わせです。子どもの頃に不正咬合だと、大人になっても虫歯になりやすい状態を維持したまま。それによって姿勢が悪化し、集中力の低下や口呼吸による疾患など様々なリスクが発生します。そのため、永久歯がきちんと生える施策を行い、健全な発育を目指すことが大切です。

つまり、お子さんの場合は小児矯正ですね。正常な成長発育を伴い、乳歯列から健全な永久歯列に移行させることで、将来にわたって健康な歯を維持できます。

-噛み合わせの治療は矯正治療だけなのでしょうか?

いえ、詰め物やかぶせ物に関しても同じように考える必要があります。ただ、綺麗にして終わりではなく、その人に合わせた歯並びや噛み合わせを意識して治療を行わなければいけません。当院ではフェイスボウ・トランスファー、ゴシックアーチ描記法、咬合器による診断、その検証によって得られたデータを元にシミュレーションを行って治療をしていきます。

もちろん、この考えは矯正にも当てはまります。矯正というと審美的な観点から行うというイメージをお持ちかもしれませんが、しっかりと機能する健康的な歯を得ることも重要です。前歯の美しさとともに、奥歯でもきちんと噛める理想的な歯並びになると、しっかり磨けるようになるので、ご家庭でのセルフケアも行いやすくなります。

つまり、虫歯や歯周病のリスクも最小限になります。そのため、出来るだけ早いうちから噛み合わせを含めた予防を行っていくことが大事なのです。

-歯科医師になった当初よりコンセプトをお考えだったのでしょうか?

最初から決まっていました。そのために治療技術、設備も整えていったという流れですね。なぜかというと、なによりも院全体のコンセプトをしっかりと確立しなければならないと考えたからです。たとえば、先進国のアメリカは国民皆保険がないこと、そして宗教的な問題も絡んでくるので、歯の美しさを重視する文化です。矯正の隆盛を考えても、それが一種のステータスになっていることがわかります。

日本はそういう文化ではありません。だからこそ、院全体が本気で取り組む姿勢を示さないと、「健康のための歯」という考えはなかなか患者さんに響かないと思いました。そこの意識がはっきり根付けば、クオリティ・オブ・ライフもあがり、健康寿命を延ばすことに繋がっていきます。これは、今後の高齢化社会において、より大切になってくることでしょう。実際、以前に比べて健康のための歯という考えが徐々に伝わり始め、話を聞きに来られる患者さんも増えてきました。

-患者さんへのメッセージと今後の展望を教えてください。

当院では、患者さんに気軽にお越しいただけるよう「地域密着型の医療サービスの提供」と「先進医療技術・医療機器の導入」「滅菌・消毒による医療機器の管理」「院内の環境整備」といった4つの安心・安全な柱を整えております。たとえば、お薬を使わない歯周病治療。PDT(Photo Dynamic Therapy)と呼ばれる光線力学療法は、光による殺菌治療法です。痛みを伴わない、副作用が起こりにくい、手軽に何回も処置できる、といった特徴があります。さらに、薬を使わないということはアレルギーの心配も無く、既に薬を複数服用している方にとっても、追加で処方せずに済むので安心です。

また、設備に関しても院内に医療用空気清浄機を4台導入しています。内科や小児科に使用されるタイプで、細菌を吸い込み、歯科特有の匂いを除去してくれる効果があります。もちろん、歯科治療器具は徹底的に消毒・滅菌を心がけています。すべては、スタッフ・患者さん全員の安心に繋げるためです。

患者さんは、忙しい日々の合間に来ている方がたくさんいるからこそ、それに応えるために日々全力を尽くさなければいけないと思います。まずは、どんなことでも気になることがあれば当院に駆け込んでもらって構いません。しっかりと患者さんの口腔内全体をチェックし、良い環境にもっていくことで、ご家庭の幸せに繋がっていくような診療が目標です。いくつになっても食べ物をしっかり食べられるということは一番の幸せです。そのためには、健康寿命に繋がる歯科治療をゴールにしていかなければいけません。今後もそのことを繰り返し伝え続けていきます。

医)よしだ・ファミリー・歯科の治療コンセプト

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